圧縮表層構造 26



天井の警報燈が真っ赤に輝き始め
ぼくらの命はあと五分
濁流に溺れて死ぬのが先か
爆風に飛ばされて死ぬのが先か

腕の中のキミは精一杯の笑顔を作り
サイレンに負けない大きな声で
また会えるよね! とぼくに言う

初めてあの丘で出会った
あの時みたいに二人ともずぶ濡れだから
キミはそんなことを言うんだろう?

夕焼けのような赤い光に照らされて
眼に見えないいい加減な秒読みを続けて
きっと会えるよというぼくの声は
濁流とサイレンの音に遮られて消えていく


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菅井 清風([email protected])
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