絶望企画
PS版ヴァンパイアで遊ぼう
プレイステーションが発表された時期から既に発売予定ソフトの中に名を連ねていながらもなかなか発売されず、遂にはサターンで、システム、ビジュアルともに大幅にパワーアップした続編「ヴァンパイアハンター」が先に発売され、その数ヶ月あとにひっそりと発売される、という絶望的なソフトになってしまったPS版ヴァンパイア。果たして何人の人がこれを買ったのでしょうか。
1997年2月22日、私は遂にゼットでPS版ヴァンパイアを手に入れました。1980円。既にSS版ハンターが1000円になってから数ヶ月が経過しているにもかかわらず、ハンターの2倍の売り値を誇っていました。これは一体どういうことなのでしょうか。オープニングとエンディングの著作権料?まさかそんなはずもありません。いや、ハンターの在庫がダブついていることがその理由であることはもう前々からずっと分かりきっていたのですが、一消費者としてみた場合やはり尋常ではないのです。
発売されたときには既に決定的なまでにダメソフトの烙印を押されていたPS版ヴァンパイア。ですが、実際にやってみた人はどのくらいいるのでしょうか。SS版ハンターの出来に満足し、PS版ヴァンパイアを「あんたバカァ?」と一蹴したはいいもののその実際の出来は見ていないという人が多いのではないでしょうか。私はまさにそれではないでしょうか。それではカプコン格闘のファンとしては失格と言わざるを得ないのではないでしょうか。……それが私にこのソフトを買わせた理由にほかならないのであります。
というわけで、呪われたゲーム(ぉ)・PS版ヴァンパイアについて調べてみました。
- CAPCOMロゴ
PSの標準的な画質です。ちなみにSSのゲームのロゴよりかなり綺麗です。
#実はPSのカプコンのソフトを買ったのはこれが初めてだったりする(汗)
- デモムービー
誰もが知ってるEikichi Yazawa様の曲が使われていることは誰もが知っていることかと思いますが、はっきり言ってヴァンパイアの世界観をぶち壊しまくってます。いりません。邪魔なだけです。ムービー自体の質は問うまでもありませんが、WSで作ったと思われる3DCG自体の割合は少なく、ほとんどは対戦で技を出している画面のズームアップが中心です。しかも対戦画面の画質はあまりよくありません。
- ゲームシステム、画面レイアウト
ヴァンパイアです。そのままです。全体的に地味です。スペシャルゲージとかもそのままです。やけに複雑な技のコマンドもそのままです。目押しコンボ(説明書では「チェーンコンボ」と表記)もそのままです。
覚悟のススメ風にいうと、所詮零(ぜろ)など霞(かすみ)の試作!存在意義が見あたらぬ!
なのですが、昔を懐かしむにはやはりハンターでは役不足(BGMや背景を初代に換えてもね)というものでしょう。
- キャラの動き
やはりというか、適当です。SS版ハンターでもある程度のパターンが削られているのですが、それより更にたくさんの量のパターンが削られています。おかげで動きがかなりカクカクになっています。例えばビッグスノーをだした時も毛がわさわさ動きません。そんな感じで、ヴァンパイアの特徴である滑らかなアニメーションはZEROよりちょっと動くくらいにしか再現されていません。でもまあPSでここまでできるというのはすごいと思います。
- 処理落ち
信じられない話ですが処理落ちが起こります。例えばビシャモンステージでオルバスが立ち強パンチを出したりとか、アナカリスがミイラドロップで手をわさわさ動かしたりとか、それだけでもう画面処理が遅くなります。これはパターン減に比べてはるかにゲームをやりづらくしていて、1/60秒のタイミングのずれが命取りになる格闘ゲームでは致命的な問題と言わざるを得ません。これで対戦をしろといわれても多分無理でしょう。
- ロード時間
パターン数を考えるとやはり長い方に入るでしょう。
というわけで、どこに存在意義を見出せばいいのか!?といろいろ考えてみました。
- キャラクターセレクト画面の、髪をいじるモリガン
ぢうやうですね。ハンターではこういうかわいいしぐさは拝めません。モリガンには珍しい清らかな(ぉ)シーンでありましょう。
- ハイギガバスター、ビーストラッシュ
ハンターになって削除された必殺技が見られるのも初代ヴァンパイアだけです。あとは、ソニックウェーブが広かったり、カオスフレアが2発撃てるのも初代だけですね。
- やたら強いボスキャラ
CPU戦でやたら強いボス2匹が体験できるのも初代だけです。SS版ハンターでもアーケード版よりは強いですが。
- デミトリステージの女
KO後腰を振ります。ジュリアナ東京よ永遠なれ。……とはいえ動きはカクカクだったりするのでやや悲しい。
そんなこんなでいろいろ調べてみましたが、総合的に見てお買い得とはとても言えないでしょう(汗)。プレイステーションの2D処理能力を見せ付けられた一本であります。やはりプレステは3D専門なんでしょうか。むう。
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しゅがい([email protected])